ヤマツカミは(モンハンでは)こんなモンスター

昨日発表されたパズドラと『モンスターハンター』のコラボ第3弾では、“黒龍 ミラボレアス”を始めとするメイン級のモンスターがズラリと名を連ねた。

そこでここでは、パズドラとモンハンの記事を書き続けている大塚角満ならではの試みとして、新規追加の5体(セルレギオス、ゴア・マガラ、ヤマツカミ、アカムトルム、ミラボレアス)に関する(モンハン目線の)エッセイを公開したいと思う。ちょうど、『モンスターハンター』の誕生15周年を祝う記事を投下したいと思っていたので、じつにいいタイミングでありましたw

さて第1回目は、“最古の龍”とも呼ばれている異形の古龍“ヤマツカミ”に関する記事をお見せしたい。

ヤマツカミ
これは拙著『別冊『逆鱗日和』角満式モンハン学~モンスター編~』に収録されている“俺とヤマツカミ”というエッセイとなります。パズドラをするうえでは何の参考にもならないけど、

「ヤマツカミってのは、こういうモンスターだ!!」

と知る手段に(ならないかもしれんが)していただければと思いますw

モンハンエッセイ:俺とヤマツカミ

数ある『モンハン』世界のモンスターの中で、筆者個人がもっとも"わかりあえなそう"と思うモンスターは何を隠そう"ヤマツカミ"です。この異形のモンスターだけはもう、本当に何を考えているかわからない。なのでヤマツカミをテーマに記事を書くのはこれが初めて。『モンハン』関連のコラムは余裕で300本以上書いたと思うが、これほど目立つモンスターでありながらただの一度もメインで書かれたことがないという事実にも、「彼とはわかりあえない」という筆者の心の動きが現れているのである。ついでに書くと、大型モンスターではドスファンゴもメインで書かれたことがないと思う。これに続く扱われた回数が少ないモンスターは、バサルモス、モノブロス、ドスガレオス、ドドブランゴといったところか。逆に多いのは、リオレウス、リオレイア、イャンクック、ティガレックス、ラージャンあたりかな? キチンと数えていないので正確なところはわからないけど、きっとそうに違いない。

いい感じで文字数が稼げたところで、本題のヤマツカミについて書きましょうかね。

ヤマツカミが初めて登場したのは『モンスターハンター2(ドス)』のとき。ほかの古龍といっしょに伝説の世界から抜け出して、人々の前に現れた。

その異形は、あまりにも圧倒的だった。「いったいどこからインスピレーションを得ればこんなモンスターを産み落とすことができるんだ!」と、なぜか感心を通り越して怒り始めてしまったくらい、筆者はヤマツカミの威圧感に打たれた。そして初めて見た瞬間に「俺はこいつとはわかりあえない!!」と確信もした。

あろうことかヤマツカミは見た目だけではなく、立ち回るうえでも筆者とは"水と油"の存在だった。当時から筆者は"ガンランス"という武器をメインで使っていたのだが、どうにもこうにもこの武器、ヤマツカミとの相性が悪いのである。いやもう、「最悪」と言ってしまってよかろう。裏を返せばヤマツカミにしてみたら、ガンランスを持ったハンターほどチョロい存在はないので、あのデカい腹の中で「最良の人が来た♪」と思っていたに違いない。あーもう! そう思っただけで腹立たしいわい!

初めてヤマツカミと対峙したときも、筆者はガンランスを持っていた。いったいどんなモンスターだか皆目見当がつかなかったので、当然ながらベテランハンターであるネット仲間3人に付き合ってもらったうえでの出撃である。ここでベテランハンターたちからヤマツカミを撃破するための必勝法をご教授してもらい、高価な素材をザクザクとかき集めてセレブの仲間入りを果たしてやろうと思ったのだ。

『2(ドス)』で最初にヤマツカミと遭遇するのは"塔"だ。決戦場所は塔のてっぺん。『2(ドス)』の塔は『2nd G』のそれと比べてはるかに高層だったので、巨体のヤマツカミが頂上まで上ってくるには少々時間を要した。その時間、約20分。リアル時間で、20分。本当に、20分くどいようだけど、20分シツコイけど、マジで20分かかったんだよおお!! クエストに付き合ってくれたWちゃんという女性ハンターは「ホントに20分経たないとヤマツは上ってこないから^^;」と言ったあと、「ミドさん(筆者のこと)、校正見たり原稿書いたりしてていいよw」と言って笑った。本当にひと仕事できてしまいそうだったので、筆者は「じゃあホントに校正見るね。20分経ったら戻ってくるから」と言い置いて、モニターの画面をゲームからPCのそれに切り替えた。



そして20分後。筆者は見ていた校正紙を机の端に置いて、モニターの画面をゲームに戻した。ぼちぼちヤマツカミが上ってくるという時間だ。さあさあ、いったいどんな狩猟風景が展開するんだ!?

見ると、筆者の分身は塔のてっぺんではなく、決戦場の手前にあたるエリア9に佇んでいた。アレ? なんで俺、こんなところに立ってんだ?? 不思議に思ってほかの3人に尋ねた。

「ねえねえ、なんで俺、エリア9にいんの?」

Wちゃんが笑い混じりの声で答える。

「あ、ミドさんおかえりw ヤマツがちょっと早めに上ってきて、ミドさんいきなり潰されちゃったのよw

な、なに? 潰されたって、なんだ? 困惑しながら筆者は言った。

「……よくわからんけど、ヤマツカミに俺が1オチさせられた、ってことだよねえ?」

このクエストに付き合ってくれた友だちのBが応じた。

「そうそうw いきなりペシャンコ。笑ったww

いったいヤマツカミとは、どんな攻撃をしてくるんだ……? しかしいつまでもエリア9で呆然としててもしかたがないので、筆者は「いまそっち行くよ!」とキーボードを引っ叩きながら決戦場に飛び込んだ。その瞬間、WちゃんとB、そして同じくクエストに付き合ってくれたMさんが同時に「あ!!」と叫ぶ。ナンダナンダ? 何が起こるんだ? そして悲劇はくり返された。

ひゅぅぅぅぅぅ~~~……ドドーーーーンッ!!

筆者が決戦場となっていたエリア10に飛び込んだ瞬間、上空からヤマツカミの巨体が急降下。恐怖のメガトンボディープレスをモロに浴び、筆者の分身はまたまた何もせぬうちに天に召されてしまった……。

「あはははは!」

とB。おもしろくてしかたがないらしい。

「ミドさん、無防備すぎw 確認してから入ってきてよw

とWちゃん。んなこと言ったって、何がなんだか……。

その後ちょっとだけ冷静になって決戦場に入り、自慢のガンランスでタコのようなヤマツカミの触手に攻撃しようと試みたが、ヒラヒラグネグネとスケベに動く長い脚に、ガンランスの切っ先はまるで刺さらない。直線的な攻撃しかできないガンランスにとって、細くて的が小さいヤマツカミの脚はもっとも苦手とするところだったのである。

けっきょくこのときは筆者が3度目のボディープレスも食らってしまい、クエスト失敗となる。辛抱強く20分も待ったのに、不用意なおっさんガンランサーのケアレスミスで何のお土産もなく街に帰ることになってしまった3人のベテランハンターの心中はいかばかりか……。

この日以来、筆者の脳に刻み込まれたヤマツカミのキャッチフレーズは"リアルな時間を破壊するタイムクラッシャー"。そして再度、この思いを頭の中で確認したのだった。

「やっぱりヤマツカミとは、わかりあえない……」。